トークセン(木槌療法)の道具には、大きく分けてコーン(木槌)とリム(杭)の二種類があります。
道具の素材自体でも効果が大きく変わりますが、リムの形状でも効果が変わってきます。
トークセンの施術は、面で打ってから、線で打ち、点で打つというのがセオリーのはずです。
しかし、日本でトークセンを使う人は、点打ちと線打ちを持っていても面打ちのリムを持っている人が極端に少ないので、使う人も少ないのです。初心者程使うべきですし、上級者程重要性が分かっているべきです。
そこで今回は面打ちのリム、またの名を両面リム・ダンベル型リムの良さをお伝えしていこうと思います。

使う人が少ない理由を考察

1.良さを分かっていない

そもそも存在を知っていないとか、使い方が分からないとか、重要性に気付いていないとか、そういう方ばかりだと思います。
面打ちの何が良いかというと、
・他のリムを使える部位はほぼ全てに使える。
・当たりがソフトで、力加減が楽。

この二点が非常に大きいと思います。”当たりがソフト”だから大抵の部位に安全に使えるのです。細かく狙わずに大雑把でいいので、腕の神経の近くでビリっとしやすい場所でも、これを使えば、気にせずガンガン叩いて大丈夫です。最初に表面をほぐして緊張を解くには丁度良いです。マッサージやリラクゼーション系の人は、手技でほぐすのでやりようがありますが、人をほぐす事自体が全く初めての人が、いきなり点打ちで始めるというのは難しいと思います。

2.そもそも売っていない

メルカリやアマゾンなどを見ても、3種類位しか出てきません。選べないという事です。
それに加えてこの情勢で輸入も難しくなってきています。とにかく売っていないし、すぐに売り切れです。

3.値段で選んでいる

面打ちのリムは一本で大体4000円~5000円します。
多くの人が「どうせただの木じゃん。ただの木に数千円も出したくない。」と思っている事でしょう。私も最初はそうでした。しかし、
・杉の木を基準にしていませんか?
・簡単にこの形を作れると思っていませんか?

杉は生育も良く、日本ではメジャーで、香りも日本人好み。花粉症の原因にもなるので、積極的に伐採しているのが杉です。だから安くて、そこらで売っているし、100円均一でも目にするのです。
そんな木材と、生育に時間のかかる木を一緒に考えていては価値を理解できる訳がありません。それに加えて使う木材はコーン&点打ちリムの2点セットと同じ量です。
ある業者さんに工賃も含めた見積もりを出して貰ったら、2点セットと同じ金額の見積もりになりました。
トークセンの製作は手間がかかります。以下の動画は日本の職人さんがダンベル型の製作をしている作業風景を撮らせてもらったものです。

これは削っているところだけです。角材に印を付けたり、切り分けたり…色々と工程があります。そこそこの値段になるのは当然です。

以上の理由で使う人が少ないのだろうと思っています。

施術の基本で私がよく語っている事ですが、表面がほぐれていないと中々奥のコリに届きません。それに加えて、痛がりの人は表面がほぐれていないと痛がってしまい施術になりません。これはトークセンも一緒です。振動で身体の奥をほぐしたいのに、振動が表面にしか行かないというおかしな状況になってしまいます。
プロなら持っていて当然だと思いますし、家庭で使うにしても扱いが簡単なので是非持っていて欲しい1品だと思います。

ダンベル型両面打ちリムの比較はこちら

メジャーなタイ製インディアンローレルのダンベル型リムの解説

このように珍しいリム(杭)もあります