今回、入荷した新作のトークセンには、新しく使われた素材が4種類あります。
そのうちの一つ、南洋桜(ニヤトー)について解説します。まずは以下のトークセンをご覧下さい。どちらが南洋桜(ニヤトー)でどちらがウォルナットでしょうか?

左が南洋桜で右がウォルナットです。見た感じ遜色ないですよね。しかし価格は違います。南洋桜は点打ちリム付きで5280円ウオルナット5980円なので、700円違います。コストパフォーマンスが良いですよね?
最初に手にした時は、「毛羽立ちっぽくないか?」という印象でした。
同時に「ああ、これはウォルナットの時と一緒だ。」と思いましたが、これについては、色々間違いがあって、後で説明します。

南洋桜(ニヤトー)はどんな素材?

もしかしたらペンシルシダーという名前を知っている人の方が多いかもしれません。日本の真樺と似た素材で、家具や楽器によく使われるそうです。
硬さは、重硬な物と軽軟な物の両方があって個体差が大きいとの事です。確かに同じ素材なのに色の幅までも結構違います。仕上げてみると、カリンとチークとウォルナットを足して割ったような感じです。香りは独特の土と油を混ぜたような香りです。チークも油っぽい香りなので同じ方向性かも?

仕上げたら化けた!

最初は毛羽立ちが目立っていたのですが、試行錯誤をしてヤスリ掛けをする程に化けていきました。しっかりツルツルになりました。これはある誤解が原因でした。
初めて日本製のトークセンを製作した時、A工房では、樫、パープルハート、メープルをお願いして、ヤスリは#240番仕上げで渡されました。私はそこから#400~#1500でヤスリ掛けをしていました。
ウオルナットからはB工房でお願いして同じく、私は#400から削ります。それで毛羽立ちが残りました・・おそらくB工房#240までではなく#180までで終わらせていたのでしょう。確認するべきでした。
今回、南洋桜をヤスリ掛けしてようやくそれに気付いたので、ウォルナットのヤスリ掛けをやり直すとツルツルになりました。
ツルツルになった後は、蜜蝋ワックスでコ-ティングして仕上げです。全て天然成分なので安心です。ヤスリ掛けの前に亜麻仁油も塗ってあります。

見るほどに面白い素材

日本製なのに安価で作れたので、大丈夫かなと心配でしたが、色々試行錯誤する程に面白い素材だなあと思うようになりました。
仕上げるほどに、チークの様な、でもカリンのような感じもあるし、ウォルナットの様な一面もあるという中立的な見た目を楽しめるようになってきました。
トークセンとしては、日本製なので、タイ製のような歪みはありません。
その割にはお手頃価格で、今までに見た事の無いトークセンです。
最近は余裕が無く、実際に使ってみるのはまだ先ですが、期待できるトークセンです。

こんな人におすすめ!

どんな人におすすめか考えてみましたが、なかなか思い浮かばないので整理してみましょう。
日本製・・・これは大きいです。タイ製はおそらく適当に削り出して、ヤスリも適当にかけて、後はウレタン塗装でツルツルにするという工程です。
お手頃価格・・・日本製なのにトークセンの中ではかなり安い部類に入ります。
結構良い素材・・本紫檀と比べてしまうと厳しいですが、三大銘木と比べても大きく見劣りはしない。(ちなみに本紫檀なら3~4倍の価格になります。)
このように見ていくと、仕上がりを重要視している初心者におすすめという事になりますね。

「初めて買うけど、海外製で仕上がりが悪いのは嫌だな。でも日本製だと高いし…」

そんなあなたにはおすすめです。
日本製で珍しくて、高級で目を惹くものと言ったらパープルハートになっちゃうんですよね(笑)
家庭で使うのに、わざわざ倍の値段のパープルハートにしますか?って言う話ですよね。
是非購入する際の参考にしてみて下さい。