初心者用のトークセン講座の第2回目です。今回は治療院で導入する際に必要な事をまとめていきます。基本的な使い方については第1回目をご覧下さい。

トークセンを治療院で導入する方法

Y字リムから使ってみる

トークセンを導入する時は緊張します。試しに身内に対して使っていても、導入する時は緊張します。これは何故かというと、どんな反応をされるか想像がつかないからだと思います。
効果が出なかったらどうしよう?嫌がられたりしたらどうしよう?と考えてしまいます。だから一番当たり障りなく、確実に効果が出せるY字リムから使ってみるのがお勧めです。
ここで一つ注意点ですが、背骨がねじれている方もいるので背骨の位置を確かめながら施術をして下さい。手と相手の体の間にコーンとリムを挟んだ感覚だけではズレる可能性があります。自分の手で触って背骨の位置を確認しましょう。背骨を上から叩くと気持ち悪いし危険です。
安全にできればあとは楽です。大椎(首の付け根)から、腰痛の下端まで叩いていきます。(骨盤に当たらない程度まで)これだけやったあとは、いつもの施術に戻ってしまって構いません。トークセンの導入を考えるまでは、その施術一本でやってきたわけですし、今までの施術がメインで、トークセンは調味料程度に考えておくと気が楽です。

鍼灸師の場合

わたしは鍼灸師ではありませんが、鍼を打つツボ、お灸をすえるツボを点打ちリムで叩くのもいいと思います。これは容易に想像がつくと思います。ツボに対するアプローチが鍼・灸・トークセンの3つになります。アプローチ方法が3つあれば組み合わせはかなり増えます。指圧師の資格も持っている場合は4つです。更に多いです。

特に硬い所(硬結)を叩いてみる

施術の最後まで残って特に硬い所、硬結。誰しもここにアプローチして欲しいと思うものです。でも同じ部位を刺激し続ければ、もみほぐし系の場合は揉み返す可能性があります。同じ部位だけ刺激してもなかなかほぐれないので、深追いはしたくないですよね?
ほぐれづらい場合も、施術をサクッと次に進めてしまいましょう。関連部位も含めてアプローチしてから、残った硬結をトークセンの点打ちリムで叩けばまた一段階ほぐれます。

トークセンも練習・臨床が重要

結局、練習と臨床が重要です。トークセンを使用していて「これはどうだろうか?」という疑問は常に出てきます。その度にスタッフ同士や身内で試して、自分も受けてみるといいです。危険でなければ、ダメだろうけどやってみるというスタンスは重要です。意外に気持ちいいとか、意外に効果が出るという事は結構あります。とにかく練習、実践、そして改善です。

トークセンの衛生面と手入れ

2022年1月の時点では、感染症予防の観点でアルコールなどが頻繁に使用されています。しかし、トークセンは木製で、塗料はアルコールや塩素に弱いです。汚れは硬く絞った布で拭くか、削り取るくらいしかありません。あまりお勧めはしませんが、アルコールで拭く場合も拭いた後にオイルや蜜蝋ワックスを塗布して手入れするくらいでしょうか。では、どう管理すればよいのか。
直接肌に触れる使い方は一切止めた方が良いと思います。服の上にタオルをかけて使うやり方が安全で衛生的です。気になる時は硬く絞った布で拭く程度。
直接皮膚に当てて使い、終わったらアルコールで拭くのを繰り返してガサガサになって、オイルを塗って、またガサガサになって、ヤスリでも削って…というのをやると、一年持たないと思います。木を扱う以上はある程度許容しなければ使えません。
木材は乾燥の過程で野ざらしにして真っ黒になるまで外に放置しています。それを削ってまな板とかに使うのですから、「木の中の方にいる菌は大丈夫か?」という事まで気にしたら使えません。

まとめ

まずはY字リムの使用や、硬結への使用から始めましょう。そして練習、実践、改善を繰り返して治療院での導入を進めてみて下さい。安全性だけ確保できれば、色々とやってみるのが良いと思います。